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マダニが媒介するSFTSと呼ばれる病気の感染報告が増えています。

マダニが媒介するSFTSと呼ばれる病気の感染報告が増えています。

 

最近、マダニが媒介する【重症熱性血小板減少症候群(SFTS)】と呼ばれる病気の報告が増えています。

 

つい先月にも、この滋賀県内でこの病気に感染した猫の報告が上がりました。

(残念ながらその猫ちゃんは病態が酷く、すぐに亡くなってしまったそうです)

 

 

この病気は犬や猫だけでなく、『人間』にも感染するウイルスによる病気です。

 

この病気は、このウイルスを保有しているマダニに咬まれることでの直接感染や、このウイルスに感染した犬や猫に咬まれて感染を起こした事例や、血液・体液を介した『人間』→『人間』への感染事例も報告されています。

 

 

この病気に感染してしまった場合、すぐには症状に現れず、1~2週間ほど時間が経ってから徐々に症状が現れ始める為、マダニに咬まれた事が原因と気付けない事も多くあります。

 

 

人間や犬・猫に共通する症状として、発熱・元気消失・消化器症状(ゲリ・嘔吐など)・出血傾向(血小板減少)・黄疸などが挙げられます。

(先月に滋賀県内で報告の上がった猫ちゃんも、発熱(40℃)と黄疸、血小板減少などを認めています)

 

 

この病気の恐ろしさはその高い致死率で、人間や犬ではこの病気にかかった場合の致死率が【30%】、そして猫ではなんと【70%】と、この病気に罹る事でかなりな確率で死に至ってしまいます。

 

 

この病気に罹ってしまった場合の治療法として、これまでは特効薬が無く、あくまで発熱やゲリなどの症状を緩和させる対症療法で乗り切る方法しかありませんでしたが、2024年6月にこの病気にかかった人間への治療薬として【アビガン】と呼ばれる、抗ウイルス薬がSFTSの治療薬として承認されました。

 

 

ただし、犬・猫においてはこのお薬が人間と同じような治療効果が得られるかの有効性はまだ研究段階で、十分な安全が確認されておらず治療薬として承認されていない事、そして副作用もあるお薬で容易に使えないことなど課題が多く、まだまだ獣医医療現場では対症療法が多いのが現状であると思います。

 

 

私たちが日ごろ意識しないといけない事は、どれだけこの病気にかかるリスクを減らせるかがポイントとなります。

 

 

8月も半ばを過ぎましたが、ノミ・マダニなどの外部寄生虫に咬まれるリスクは依然として高い為、外に出る機会の多いワンちゃん・ネコちゃんには寄生虫対策(予防薬の付与)をしっかり行い、飼い主の皆様におきましても、公園・草むらなど自然の多いところに入る機会が多い場合にはなるべく肌の露出の少ない服装をしていただく事をお勧めします。

 

 

もし万が一、ご自身やワンちゃん・ネコちゃんがマダニに咬まれているのを発見した場合には無理に取ろうとせず、まずはお近くの病院にご相談ください。

※無理に取ろうとすると、マダニのキバが肌に深く食い込み、肌に残ってしまうことで強い皮膚障害の元になる可能性があります

 

 

【参考WEBサイト】

厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html

厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html