健康診断キャンペーン、各種予防(ワクチン・寄生虫)のお知らせ
4月までもう間もなく
今年は例年と比べ不安定な気候で落ち着かない日々が続きましたが、ようやく日中が過ごしやすい気温になりました。
暖かくなると、桜の開花も相まって外出する機会も多くなると思います。
どうぶつ達と一緒にお出かけしやすくなってくると注意したいのが、蚊やノミ・マダニなどの寄生虫です。
暖かくなることで活動が活発になるのは、虫たちも例外ではありません。
外に出る機会も多くなれば、どうぶつ同士が触れ合う機会も自然と多くなることから、さまざまな感染症にも注意が必要になります。
【フィラリア】【ノミ・マダニ】【感染症】に負けない為には、日ごろからの健康管理に注意し、丈夫な身体を作っていくことが大切です。
どうぶつ達の健康を保ち、病気や寄生虫に負けないために、
① 狂犬病や病気を予防するためのワクチン接種
② ノミ・マダニ・フィラリアの寄生対策
③ 健康診断 (血液検査) で今の身体の臓器の働き・状態を知り、理想のライフスタイルを整えてあげる
これらを守り、健康的な生活を送らせてあげることが、私たち人間がどうぶつ達と一緒に暮らしていく為の責務であります。
普段からの健康診断・予防を通して、大切な家族の異常をいち早く発見・治療に繋げ健康を維持し、これからも一緒に過ごせる時間を少しでも長く・良いものに出来ると考えます。
春や秋頃は健康診断がよく行われる時期でもある為、これを機会に一度どうぶつ達の健康診断をお勧めします。
以下に、【春の健康診断・フィラリア検査】【フィラリア・ノミ・マダニなどの寄生虫対策】【狂犬病・混合ワクチンなどの予防接種】の3つの項目に分けて、健康診断・予防関連についてお話させていただきます
【春の健康診断・フィラリア検査】
今季の春の健康診断キャンペーンには3つのコースがあります。(犬猫共用)
《ライトコース》診察料 + 2000円(税抜き)
一般身体検査(聴診・視診・触診)+ フィラリア検査※
《ベーシックコース》診察料 + 5500円(税抜き)
ライトコース + 血液一般検査(血球・生化学検査)
《シニアコース》診察料 + 7500円(税抜き)
ベーシックコース + 甲状腺・糖尿病リスクチェック・炎症マーカー(CRP・SAA)
ベーシック以降の検査では、フィラリア検査に加えて『身体の栄養状態、腎臓・肝臓・膵臓などの働き、中性脂肪・コレステロール値の評価』を血液検査で評価します。
シニアコースでは、上記に加えて甲状腺や糖尿病、身体の中に発生する炎症反応の評価に関連した項目が追加されます。
甲状腺疾患や糖尿病のリスクは、6歳を過ぎた中年齢ごろ(人の年齢で40~50歳に相当)から高くなる為、まだまだ若いと思っていても注意は必要になります。
他には日常生活の中で、前年と比べてもお水を飲む量やオシッコの回数・量、体重の増減に大きな変化を感じられた場合にも、内臓機能・ホルモンバランスの異常が隠れている事があります。
今のウチの子にはどの検査が望ましいのか、どういう予防が望ましいか等、わからないことは何でもスタッフにご相談ください。
(以下にワンちゃん・ネコちゃんの年齢を、人に当てはめた表を載せさせていただきます。あくまで目安となりますが、ご参考ください)
『TeamHOPE 犬・猫の健康診断』より抜粋
※『ネコのフィラリア検査について』※
ネコはもともと、フィラリアに感染するリスクが低めな事、血液検査によるフィラリア検査の精度がかなり低いことを考慮して、健康診断ではフィラリア検査を除いたベーシック・シニアコースのみの対応となります。
その為、フィラリア検査の代わりに腎臓機能の指標である《SDMA》がベーシック・シニアコースの検査項目に組み込まれます。
注意するポイントとして、ネコはフィラリアに感染するリスクは低くても、全く感染しない訳ではありません。もしネコのフィラリア検査をご希望の場合には事前にご相談ください。
ベーシック・シニアコースをご希望の場合、なるべくお腹が空いた状態で検査できると正確な結果が得られやすくなります。※理想は12時間程の絶食が出来ると、より正確なデータが得られます
採取した血液を外部機関に送る為、内臓機能などの血液検査結果が出るのに1週間~10日程お時間がかかります。フィラリア検査結果は当日お伝え出来ます。
【フィラリア・ノミ・マダニなどの寄生虫対策】
日中の気温が13℃を超えてくると、蚊やノミ・マダニなどの活動が活発になると言われています。
今年は例年より少し寒い日が続きましたが、この週末からようやく日中の気温が13℃を超えてくるため、寄生虫対策が本格的に必要になってきます。
寄生虫対策はいつからはじめるかはその年の気温や地域差・生活スタイルにもよります。
この地域(滋賀県 湖東地方あたり)の環境ですと、山間・湖など自然に触れ合う機会も多いことから
『フィラリア予防』は4~5月末ごろから10~11月末までの予防を、
『ノミ・マダニ予防』は4月に入ってから11月までの予防を、
おおよそ上記の期間を基本として対策をお勧めしております。
ただしノミ・マダニに関しては『通年予防※』も推奨されている為、上記通りでもありません。
※ノミやマダニは寒さに弱い生き物ですが、寒い時期に全くいなくなる訳ではありません。
公園・川沿い・林の中やドッグランなど自然と触れやすい環境では、活動が弱っていてもノミ・マダニがまだ生息しており、人間やどうぶつ達が虫を身体に付けて家に持ち帰ってしまうことがあります。
暖かい家の中では寄生虫の活動が活発化し、増殖してしまうことがあるので油断は出来ません。
フィラリア・ノミ・マダニ予防のお薬は、オヤツ型や錠剤などの飲ませるタイプや塗布するタイプをご用意しておりますので、ご希望の用途に応じてご用意させていただきます。
また、フィラリア関連の予防薬を1シーズン分、まとめてお持ち帰り頂いた方にお散歩グッズをお渡ししております。
お好きなものを選んでいただけますが数に限りがございますので、来院されたタイミングによってはお渡しできない事もあります。(下にお散歩バッグの1例をお載せしております)
(フィラリア予防薬は、フィラリア検査を済ませてからでないとご用意できませんのでご注意ください。)
【狂犬病・混合ワクチンなどの予防接種】
年度替わりは、狂犬病・混合ワクチンなどの予防接種が集中しやすい時期になります。
健康診断と同時に各種ワクチン接種も受け付けておりますので、ご希望の方は併せてお申し付けください。
(注意点)
当院は、狂犬病ワクチンと混合ワクチンの同時接種を推奨していない為、2つをご希望の場合には原則、別日での接種をお願いしております。
どれくらい間隔を開ければよいかは、その子の過去のワクチン接種状況もお伺いした上でお話させていただきます。
また、例年同じワクチンを打っていてもワクチン接種後に体調悪化・アレルギー反応が出てしまうことがある為、ワクチンは可能ならば “ 午前中 ” に接種することをお勧めします。
(アレルギー反応は、ワクチン接種後まもなくに出ることもあれば、半日以上経過してから出ることもある為、夕方~夜にワクチンを接種すると深夜に体調が悪化してしまうことがあり、早期の発見・対処が難しいことがある為です)
以上が健康診断・予防関連についてのお話となります。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ご不明な点やもう少し詳しく知りたい事柄などありましたら、なんでもご相談ください。
獣医師 宮嶋俊輔