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【7/6追記】7月の診療日程のお知らせと、マダニ寄生に関する注意喚起

【7/6追記】7月の診療日程のお知らせと、マダニ寄生に関する注意喚起

【7月6日】追記:22日(火曜) 午後診療が臨時休診となります。患者様には大変ご迷惑をお掛けしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

7月の診療日程のお知らせです。

 

7月の日程は以下の通りとなります。

 

 

【祝日休診】21日(月曜日):終日休診

【臨時休診】22日(火曜日):午前は通常通り診療・午後が臨時休診

 

通常は金曜・祝日が終日、日曜日が午後がお休みとなります。

 

 

 

いよいよ梅雨・夏日と、本格的に暑くなってまいりました。

 

高温多湿な時期は、ジメジメとした湿気によって体力が奪われやすく、肌質の悪化、熱中症、持病の悪化など……ヒト・動物達双方にとって注意を払わないといけない時期となります。

 

そして特に注意を払いたいのが、この季節はノミ・マダニなどの寄生虫が繁殖しやすい時期でもあります。

 

ニュースなどでもご存じかもしれませんが、この数年、《マダニ》が媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)』と呼ばれる【人獣共通感染症(ヒト・動物どちらにも感染する病気の総称)】によるワンちゃん・ネコちゃんだけでなく、ヒトの死亡例の報告が増えております。

 

(2021年以降、ヒトでは国内でも毎年、100人以上の感染報告と10人前後の死亡が確認されています。)

 

 

この病気は、

・このウイルスを保有しているマダニに咬まれることでの直接感染

・このウイルスに感染した動物に咬まれて感染を起こした事例

血液・体液(ゲリ・嘔吐物など)を介した『ネコ』→『ヒト』や、『ヒト』→『ヒト』への感染事例も報告されています。

 

 

この病気に感染してしまった場合、すぐには症状に現れず、1~2週間ほど時間が経ってから徐々に症状が現れ始める為、マダニに咬まれた事や、その感染症にかかった動物を介しての感染が原因と気付けない事も多くあります。

 

 

ヒトやイヌ・ネコに共通する症状として、

《発熱・元気消失・消化器症状(ゲリ・嘔吐など)・出血傾向(血小板減少)・皮膚や可視粘膜の黄疸》などが挙げられます。

 

 

(去年に滋賀県内で感染を起こしたネコちゃんも、発熱(40℃)と黄疸、血小板減少などを認め、その後に残念ながら亡くなっています。)

 

 

発熱や元気消失などの症状は季節柄、熱中症と勘違いされやすいこともあります。※熱中症も命に関わる病態の為、油断は出来ません。

 

 

の病気はその高い致死率が恐れられていて、ヒトやイヌではこの病気にかかった場合の致死率が【30%】、そしてネコでは【70%】と、この病気に罹る事でかなりな確率で死に至ってしまいます。

 

 

今年5月には、この『SFTS』に罹患したネコちゃんを診察された三重県の獣医師が亡くなられた報告があります。

 

(この獣医師の方にはマダニに咬まれた跡が無かった事から、このネコちゃんを介して感染がうつったと考えられています。)

 

 

この病気に罹ってしまった場合の治療法として、2024年6月にこの病気にかかった人間への治療薬として【アビガン】と呼ばれる、抗ウイルス薬がSFTSの治療薬として承認されました。

 

残念ながら、イヌ・ネコにおいてはこのお薬が人間と同じような治療効果が得られるかの有効性はまだ研究段階で、十分な安全が確認されておらず治療薬として承認されていない事、そして副作用もあるお薬で容易に使えないことなど課題が多く、まだまだ獣医医療現場では対症療法が多いのが現状であると思います。

 

 

私たちが日ごろ意識しないといけない事は、どれだけこの病気にかかるリスクを減らせるかがポイントとなります。

 

外に出る機会の多いワンちゃん・ネコちゃんには寄生虫対策(予防薬の付与)をしっかり行い、飼い主の皆様におきましても、公園・草むらなど自然の多いところに入る機会が多い場合にはなるべく肌の露出の少ない服装をしていただく事をお勧めします。

 

(※特に、地域猫など普段から外にいる機会が多い子たちの保護活動をされている方は、より一層の注意が必要かと考えます。)

 

 

もし万が一、ご自身やワンちゃん・ネコちゃんがマダニに咬まれているのを発見した場合には無理に取ろうとせず、まずはお近くの病院にご相談ください。

 

※無理に取ろうとすると、マダニのキバが肌に深く食い込み、肌に残ってしまうことで強い皮膚障害の元になる可能性があります

 

 

そして、もし外に出ていく機会が多いワンちゃん・ネコちゃんにマダニが付いていて、元気が無くてグッタリしている、身体が熱いと感じられた場合、その症状だけでは断定できませんが、この《SFTS》感染の可能性もある為、病院に連れていく際には手袋やマスクなどでご自身の身体を守りつつ、ケージに入れてご来院ください

(※抱いてこられた場合、その子がもし暴れた際にオーナー様に感染症がうつる可能性がある為)

 

 

 

【参考WEBサイト】

厚生労働省 ダニ媒介感染症

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html

厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html

厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html